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死刑執行の即時停止を求める

鳩山法相が朝日新聞で「死に神」と書かれたことに憤慨しているそうです。私も人に対して「死に神」という表現を使うことは良くないと思います。ただ、鳩山氏が大臣になってから従来に比べて大変早いペースで執行が行われています。今回の執行で13人の死刑が執行されました。

法務大臣は、死刑を執行するに当たっては、死刑囚の記録を丹念に精査し、万に一つも誤りがないことを期さなければいけないのですが、この短期間に多忙な大臣が本当に記録に十分目を通したのか疑問を感じます。どうしても「乱数表を使って自動的に死刑を執行」という大臣の発言が思い出されます。朝日新聞もこうしたことから「死に神」を連想したのではないでしょうか。

死刑は、殺人などの凶悪犯罪を抑止するのではなくて逆に増加させるという研究があります。これは、死刑の残忍化の理論と呼ばれています。死刑の残虐さが人の凶暴性を誘発するというのです。今年に入って、死刑願望を動機と供述する無差別殺人が目に付きます。度重なる死刑執行と無関係でしょうか?

昨年末、国連総会は、死刑を存置するすべての国に対して死刑廃止を前提にして死刑執行を停止することを求める決議を採択しました。先日ジュネーブで開かれた国連人権理事会でも、わが国は多くの国々からこの国連決議の遵守を求められたと言います。

日本政府は、死刑を存続させる根拠として国民世論の支持をあげています。2004年に内閣府が行った世論調査では、81.4%の人が死刑存置に賛成したということです。

しかし、この調査の設問を見ると「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と「場合によっては死刑はやむを得ない」という二つの選択肢しかありません。設問の表現自体がかなり意図的な誘導と感じないでしょうか。

ちなみにアムネスティが試しに「あなたは『死刑』をどう思われますか?」という問いで「あった方がよい」「ないほうがよい」「終身刑があればなくてもよい」という三つの選択肢を設けて街頭で聞いたところ「あった方がよい」が182人、「ないほうがよい」が109人、「終身刑があればなくてもよい」が194人との結果でした。

来年から裁判員制度が始まります。この制度では、有罪無罪だけでなく私たちは量刑の判断も求められます。私たちは、死刑の選択をしなければいけないのです。

死刑は、残虐でありそれ自体が新たな殺人に他なりません。切断刑などの身体刑が非人道的であるのと同様に、いやそれ以上に非人道的な刑罰です。人類は、もはやこうした刑罰と決別すべき時なのです。

(T・H)

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コメント

「週刊プレイボーイ」7月7日(27号)に(私が)尊敬する政治家の鈴木宗男さん(新党大地)の連載「司法改革宣言!」があるのですが、第2回ゲストとしてこれも私も尊敬する作家の森達也さんが呼ばれ二人でじっくり対談されています。
お二人の話は裁判員制度から死刑制度、終身刑まで幅広い内容になっています。4ページというのがちょっと少ないかも。350円です。

鈴木宗男さんは元々死刑賛成派だったけれども、自らの体験から「司法は誤りを犯す」ことを実感され「今は、日本も世界の潮流に合わせて死刑制度を廃止すべきではないかと考えています。」と発言されています。
鈴木宗男さんの死刑に関する政治家としての問題提起に期待しています。

投稿: 小谷 | 2008年6月25日 (水) 15時17分

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