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国連自由権規約委員会・日本の人権状況審査の報告ちらしより

以下は、来年1月10日に催される死刑廃止ネットワーク大阪主催のイベントちらし裏面です。

2008年10月30日(日本時間31日未明)、自由権規約委員会は第5回日本政府報告書審査に関して最終見解を公表しました。
死刑については廃止が強く勧告され、さまざまな懸念が示されました。

パラグラフ16で自由権規約委員会は「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべきであり、一般世論に対して、死刑を廃止すべきであるということを必要な限り説明すべきである。
現段階では、規約6条の2に規定された通り、死刑は最も重大な犯罪のみに厳格に限定すべきである」と日本政府に死刑廃止を検討するよう強く勧告した。
そして、世論を言い訳に使うのではなく、死刑を支持する世論に対して死刑を廃止すべきことを率先して説明する責任は政府にあるとした。
また、高齢者や精神疾患のある死刑確定者に対しては、人道的配慮を行うべきであり、「恩赦、減刑、執行延期手続などがより柔軟に認められるべきである」と勧告した。
死刑執行期日を本人や家族にすら事前に知らせない手続きに対しても改善勧告がなされた。

パラグラフ17では、委員会は「死刑事件に関しては必要的再審査手続きを設けるとともに、再審請求や恩赦の出願がなされている場合には執行停止の措置をとるべきである」と日本政府に対して勧告している。
また、NGOからの、再審開始に至るまでは死刑確定者と弁護人との秘密交通権が確保されていないという情報を受けて、委員会は「すべて秘密接見交通が保障されるべきである」と勧告している。」

全文はこちら→ http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrc/hrcs94.htm

奈良グループ通信関連記事は→ http://amnesty-jpn45g.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-944c.html

自由権規約とは

国際自由権規約とは、1966年12月の国連総会で採択され、76年に発効した「市民的及び政治的権利に関する国際規約」をさします。
1948年の世界人権宣言の内容を拘束力のある法規範にするためにつくられた国際条約です。
日本は自由権規約を79年6月に批准し、条約はそのまま国内法としての効力をもち、かつ法律より上位にあるので、裁判所は、法律や規則が自由権規約に抵触すれば違法・無効であると判断しなければなりません。
自由権規約委員会の審査は5年ごとです。
日本の前回の審査は1998年でした。
そして、次の審査のために日本政府は2002年に報告書を提出しなければならなかったのですが、結局、日本政府が自由権規約委員会に報告書を提出しだのは期限を大幅に超えた2006年12月でした。
そのため、審査も大幅に遅れることになり、ようやく10月15日、16日に日本の審査が行われました。

アムネスティ・インターナショナル

・世界人権宣言が守られる社会の実現をめざし、世界中の人権侵害をなくすため、国境を越えて声を上げ続けている国際的な市民運動団体です。
・人権の促進「すべての人にすべての権利を」。人権基準の批准、人権保障の促進、人権教育、人権への意識喚起などについて、国内外を問わず活動しています。
・良心の囚人の釈放や、拷問および死刑の廃止、政治的殺害や「失踪』、難民などの重大な人権侵害をなくすめに活動しています。
・国連や欧州評議会との協議資格を持つNGOであると同時に、世界150力国180万人のボランティアの会員で構成される不偏不党の人権団体です。
・手紙書きなどの誰もが普通にできる草の根の活動を、国際世論の形成につなげていきます。独自の調査で得た情報は厳密に検討され、人権状況の改善に役立つよう、効果的に使われます。そうした調査や運動の中立性を保つため、アムネスティは政治的、宗教的、また財政的に不偏不党の立場を貫きます。調査や活動に対して、いかなる政府からも財政的な援助は受けません。

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コメント

個人の仇討ちを禁止する代わりに国家による死刑制度が作られたという話をよく耳にしますが、本当なのでしょうか?歴史的に考えると疑問を感じます。

少なくともわが国では、仇討ちが禁止されたのは、明治6年(1873年)ですが、死刑制度はそれより遥か昔から存在します。701年に作られた大宝律令に既に死罪があり、その後、平安時代に300年を超える事実上の死刑廃止の期間はあったものの、保元の乱で復活して現在に至っています。

ついでに言うなら、制度として認められていた仇討ちは、主君の敵、親の敵、夫の敵を討つものであって、子どもや妻が殺されても敵を討つことはできませんでした。また仇討ちの仇討ちも許されませんでした。これらの点からも死刑制度と仇討ちは関連がないように思います。


1966年に採択された国際人権(自由権)規約の第6条は、その第6項の文言等から見て明らかに死刑は廃止することが望ましいという立場に立つものですが、死刑制度を禁止するところまでは至っていません。その後、第二選択議定書(死刑廃止条約)や昨年行われた「死刑の廃止を視野に入れて死刑の執行を停止することを求める」決議などにより、国連の死刑廃止の立場は、より明確になりましたが、日本政府は、自由権規約は批准しているものの第二選択議定書は批准していないことから、自由権規約の遵守状況を審査する自由権規約委員会のスタンスは、死刑は廃止するべきものだが、もし今現在すぐに廃止できないのなら、少なくとも規約に従い死刑はあくまで限定的、例外的な刑罰として考えなければならないというものです。

「この条のいかなる規定も、この規約の締約国により死刑の廃止を遅らせ又は妨げるために援用されてはならない」のですから、規定を守って死刑を限定的にせよということと死刑廃止を求めることは矛盾しません。

投稿: T・H | 2008年12月 2日 (火) 23時08分

コメントありがとうございます。
私も「最も重大な犯罪」というのは、あいまいだと思ったので、調べてみました。

日本政府への自由権規約委員会の勧告は原文を見ると、世論をたてに取らず、世論を廃止に持っていきなさい。それまでの間は、条約第6条2節に合致するよう、the death penalty should be strictly limited to the most serious crimesとなっています。
何を意味するか書いていません。条約6条2節にも同じ語句があります。
意味するところは、現状では適用が多すぎると考えている、死刑を減らしなさいということかと、受け取りました。

日本政府は、自由権規約を取り入れて守ります。と約束しています。
その第6条2節を外務省HPから貼り付けます。
第六条
1 すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。
2 死刑を廃止していない国においては、死刑は、犯罪が行われた時に効力を有しており、かつ、この規約の規定及び集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に抵触しない法律により、最も重大な犯罪についてのみ科することができる。この刑罰は、権限のある裁判所が言い渡した確定判決によってのみ執行することができる。
3 生命の剥奪が集団殺害犯罪を構成する場合には、この条のいかなる想定も、この規約の締約国が集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に基づいて負う義務を方法のいかんを問わず免れることを許すものではないと了解する。
4 死刑を言い渡されたいかなる者も、特赦又は減刑を求める権利を有する。死刑に対する大赦、特赦又は減刑はすべての場合に与えることができる。
5 死刑は、十八歳未満の者が行った犯罪について科してはならず、また、妊娠中の女子に対して執行してはならない。
6 この条のいかなる規定も、この規約の締約国により死刑の廃止を遅らせ又は妨げるために援用されてはならない

投稿: 管理人 | 2008年12月 1日 (月) 20時27分

ご意見ありがとうございます。
世界の3分の2の国家が死刑を廃止または死刑の執行を停止していますが、今までのところ死刑廃止を理由に凶悪犯罪が増加したという話は聞いたことがありません。
自由人権規約のB規約6条を読み返してみましたが「最も重大な犯罪」というのがどのような犯罪をさすかわかりませんでした。全面的な死刑廃止を勧告することと、死刑の人道的配慮や手続きの改善勧告は別に矛盾しないと思います。

投稿: アンパンマン | 2008年11月30日 (日) 21時33分

<…死刑は最も重大な犯罪のみに厳格に限定すべきである…>
日本で重大な犯罪で無い者に死刑判決を下した事がありますかねぇ~?
限定的に死刑を認めていながら死刑廃止が絶対であるという論調に矛盾がありませんか?
殺人事件の及ぼす影響は被害者本人だけでなく、被害者に連なる縁者に取り返しのつかない傷跡を残します。
被害者は人生を絶たれたのにも拘らず加害者は生き延びるという事に対しての怒りは図り知れません。
個人の仇討ち死刑執行が禁止されるならば、国が代行して死刑を行う事に矛盾は無いと思いますが?
個人的仇討ち死刑執行となると、加害者ばかりでなく、加害者の縁者にまで及び悲惨な殺戮が繰り返される要因ともなります。
そうなる事を恐れて死刑制度は作られたのではないでしょうか?
安易に死刑廃止論を強制すれば、犯罪誘発の要因にもなると思います。

投稿: G | 2008年11月30日 (日) 11時56分

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