« 白リン弾 | トップページ | アムネスティガザ調査団のブログ »

「自由権規約委員会と日本政府報告書の審議について」報告(T・H)

講演『世界から見た死刑執行をやめない日本~国連自由権規約委員会・日本の人権審査の報告~』第一部
講師:村上正直さん[大阪大学大学院国際公共政策研究会科教授]

講演会には60名を超える参加があり会場は満杯でした。以下講演会第一部の概要です。

自由権規約委員会(Human Rights Committee)
市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約と呼ばれる)の締約国が、規約を遵守しているかどうかを国際的に監視する機関であり、
18名の委員から構成される。
Human Rights Committeeは、人権委員会と訳すのが正確だが、「規約人権委員会」とか「自由権規約委員会」と訳されてきた。
もう一つCommission on Human Rightsというのがあったので(現在はHuman Rights Council「人権理事会」となっている。)それと区別するためである。
委員は、個人の資格で職務を遂行するのでそれぞれの国家の代表ではない。

自由権規約の締約国は、規約の発行後1年以内に、それ以降は委員会の要請するときに報告書を提出しなければならない。
通常は5年ごとに報告書を提出して委員会の審査を受ける。

第5回日本政府の報告書審査
1981年を最初に今回は5回目である。
前回は1998年であり、本当は2002年10月が今回の報告書提出期限であった。
日本政府の報告書提出が遅れたために10年ぶりの審査となった。
若干の提出期限切れはどこの国でもあることだがさすがにこれは遅れすぎである。

第3回の審査から委員会は審査の内容をまとめた最終見解(「最終所見」、「総括所見」とも訳される)を発表している。
今回の最終見解は34項目にわたった。
ただ、問題はこれらの見解を日本政府が全く聞き入れようとしないことである。
これに対し委員会から強い批判がなされた。
せっかく良い最終見解が出されてもこれでは何もならない。

自由権規約委員会と日本の「ズレ」
*「解釈」のズレ(例えば
自由権規約9条に関し、日本政府は国外退去強制手続きは刑事手続きと別個のものなので規約は適用されないとしているが、委員会は、適用されると考える)
*「認識」のズレ(例えば
永住者に対する再入国許可制度の適用について日本政府は一般外国人と異なる「優遇措置」をとっているので規約に適合していると考えるが、委員会は再入国の許可を必要とすることから規約に適合していないと考える。)
*「制度とその運用実態」・「制度の存在とその有効性」のズレ(例えば
代用監獄制度について日本政府は捜査と留置の分離や人権への配慮の徹底をもって規約違反ではないと考えるが、委員会は施設の分離が必要と考える。)である。
このズレを修正しないとこのすれ違いは今後も続いて行くのではないか。

[自由権規約委員会の第5回日本政府報告審査最終見解全文]
原文は→  http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrc/docs/co/CCPR-C-JPN-CO.5.doc  
外務省仮訳は→ http://www.mofa.go.jp/Mofaj/Gaiko/kiyaku/pdfs/jiyu_kenkai.pdf
死刑関連は、パラグラフ16、17、21

開催;2009年1月10日19時~21時、於ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)5Fセミナー室
主催:(社)AI日本死刑廃止ネットワークセンター大阪、NPO法人 監獄人権センター(CPR)
(イベントチラシ) http://homepage2.nifty.com/shihai/090110.pdf

講演会第二部報告につづく

|

« 白リン弾 | トップページ | アムネスティガザ調査団のブログ »

イベント」カテゴリの記事

死刑」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 白リン弾 | トップページ | アムネスティガザ調査団のブログ »