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ビルマ VJ の感想文

奈良グループの小谷さんから映画の感想を書くようにずいぶん前に依頼されていたのですが、ついつい先延ばしにしてしまいました(小谷さん、すみません)。その間にたくさんの方々が既にWeb上で映画の感想を私が書ける以上の言葉で掲載していますし、ビルマの現状やこの映画の背景についてはビルマ情報ネットワークのHP(http://www.burmainfo.org/)で詳しく知ることができます。ですので、私が今さら何を付け加えることができるわけでもないのですが、少しでも宣伝になればと思い映画の感想を掲載させていただきます。

冒頭でジョシュア(主人公)は1988年の市民の蜂起はあたかも忘れ去られたようだと言います。そのときのことを公に語ると、誰かに密告されるかもしれない。自分の考えていることを言ってしまうと投獄されるかもしれない。だからみんな黙っている。20年前の蜂起はなかったことにされている。街中に私服の政府関係者が潜んでおり、アピールを行った者はすぐに彼らに拘束されてしまう。だれもが不安と疑念の中で生活しなければならない。撮影者自身の身の安全も保障されているわけではなく、彼らの緊張感は映像からひしひしと伝わってきます。

一方で映画を観ながら一つ引っかかりを感じていました。ビルマの人々が命がけで求めている民主主義というのは本当にそこまでして手に入れる価値があるものなのか?この映画を観たころ(今もですが)私は日本の政権交代にたいした変化を感じられないで、少なからず失望していたためでしょう。

しかし、軍の独裁に対して政治には干渉しないはずの僧侶たちさえも立ち上がったとき、その失望は民主主義そのものに向かうべきではないことに気付きました。約2000人の僧侶がデモ行進を行い、街中の人々がそれを歓迎しました。ある人たちは僧侶が襲われないようにデモの側面を守り、ある人たちは祈り、ある人たちはビルの上から歓声を上げていました。ビルマの人々の20年間の思いが爆発したとき、強い衝撃を受けました。

民主主義というのは単に選挙で政権政党を選ぶだけのものではなく、人々が自由に発言し主張する行為そのものではなかったか。そんな感じのことをハンナ・アーレントだったり丸山眞男だったりは言っていたのではないか。そうだとすると、今スクリーンに映っているこの場面こそ民主主義が体現されている現場ではないのか。

最終的にこのデモは軍によって鎮圧されてしまい、かかわった市民や僧侶の多くは捕えられ、中には暴行を受けたり殺害されたりする者もいました。ジョシュアたちのグループも解散せざるを得ない状況に追い込まれました。

しかし、この一連の出来事が無駄なことだったと思うことは私にはできませんでした。少なくともあの瞬間、ビルマは日本よりずっと民主的であったのではないでしょうか。

(AI大阪難民チーム M)

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