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『アムネスティ・レポート 世界の人権2011』と良心的兵役拒否

アムネスティの年次レポートの日本語に翻訳するのに予算がかかるということで、出版の是非が検討中です。原本(英語版)は、国際事務局HPで、読むことができます。http://www.amnesty.org/en/annual-report/2011

  今年も『アムネスティ・レポート 世界の人権2011』が出版されました。 いち兵役拒否の研究者として毎年このレポートのチェックを自分に課しています。私は良心的兵役拒否の人たちの支援を何らかの形でしたくてアムネスティ会員をしています。(小谷勝彦)

■韓国
 11月、憲法裁判所は口頭弁論を行い、良心の理由で兵役や予備役訓練を拒否した人びとに科される刑事罰が基本的権利を侵害しているかどうかを審議した。また良心的兵役拒否者に代替業務の選択を提供しないことは良心の自由の権利を侵害するかどうかも検討した。
 11月の時点で、そうした良心の囚人として965人が拘禁されている。
■アルメ二ア共和国
 年末の時点で、73人の男性が、良心を理由に兵役を拒否したことで拘禁刑に服していた。兵役に替わる役務は、軍の統制下に置かれたままだった。欧州人権裁判所大法廷は11月、良心的兵役拒否者バハン・バヤティヤンの申し立てを審理した。欧州人権裁判所は2009年、バヤティヤンが2002年に徴兵忌避で有罪判決を受けた際、良心および信教の自由の権利は侵害されなかったとする裁定を下していた。同じく2009年、欧州人権裁判所は欧州人権条約が良心的兵役拒否の権利を保証するものではないと判断していた。この件については、判事の一人が反対意見として、多数派の判決は、良心的兵役拒否の権利が思想、良心、信教の自由にとって基本的な要素であるというほぼ普遍的な認識を反映できなかった、との考えを示していた。

■エリトリア
 脱走したり兵役を逃れたりした人びとに対する処罰は過酷で、拷問されたり、裁判なしで拘禁されたりする。

■ギリシア共和国
 良心的兵役拒否の権利に関する新しい法律が9月に制定された。これにより、良心的兵役拒否者のための代替役務の期間がやや短縮され、予備兵役は廃止された。しかし、法定代替役務の期間は、通常の兵役の2倍で、事実上懲罰的なままだった。国防大臣の裁量によって適用される代替役務の期間短縮も、いまだ大多数の徴集兵にとって懲罰的な傾向にあるといえる。
  良心的兵役拒否者に対する迫害が、繰り返し行われた。
・2月、アテネ軍事上訴裁判所は、職業軍人ヨルゴス・モナスティリオティスに対し、逃亡罪に処したビレウス海軍法廷の判決を支持し、執行猶予付き5カ月の拘禁刑を言い渡した。ヨルゴス・モナスティリオティスは2003年、所属部隊がイラク戦争に派遣されるに当たり、良心を理由に赴任を拒否していた。

■トルコ共和国
 良心的兵役拒否に対する権利は、国内法では認められないままだった。良心的兵役拒否者は繰り返し起訴され、この権利に対する大衆の支援を呼びかけた人びとも刑事告発と有罪判決を受けた。
・6月、良心的兵役拒否者のエンベル・アイデミルは、軍の拘禁施設で6カ月服役したのち釈放された。彼の兵役拒否から生じた複数の告発は、軍事上訴裁判所で未完了だった。同月、人権擁護活動家ハリル・サブダと他の3人の活動家は、エンベル・アイデミルを支援する市民デモに参加したことを受け、「大衆を兵役制度から引き離そうとした」として刑法第318条に基づき有罪判決を下された。この訴訟は最高控訴院で係争中だった。エンベル・アイデミルが軍の拘禁施設で虐待を受けたとする起訴も、年末の時点で進行中だった。
・8月、良心的兵役拒否者のイナン・スベルは、兵役拒否のために拘禁された。彼は12月に釈放されたが、年末の時点で進行中だった。

■フィンランド共和国
 良心的兵役拒否者は、兵役に替わる文民役務が懲罰的で差別的であるとして拒否したために、引き続き収監された。代替文民役務の期間は362日間のままで、もっとも一般的な兵役期間である180日間の2倍以上だった。

■ベラルーシ共和国
 兵役は強制的なままだったが、代替役務に関する法案の議論が進行中だった。また、年間を通じて2人の良心的兵役拒否者が無罪になった。

■イスラエル
 イスラエル人良心的兵役拒否者が、少なくとも12人拘禁された。
・イスラエル北部のトゥヴァル村出身のシル・レゲフは、パレスチナの軍事占領に反対し、兵役を拒否したことにより3回にわたり計64日間拘禁された。

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